01 / CONTEXT
なぜ "おすすめ" は、いつも外れるのか。
年齢 / 性別 / 購買履歴 — EC やファッションの多くは、表層データで人を分類してきた。
既存レコメンドは「これまで好きだったものと似たもの」を返すだけで、まだ自分も知らない価値観には出会わせてくれない。
一方、人が「本当に好き」と感じるものは、もっと曖昧で、内面的で、言葉になっていないことが多い。
この可視化されていない "らしさ" を、高校 2 年生の探究として掘り始めた。
02 / CHALLENGE
MBTI を "分類装置" でなく、"観察入口" として使い直す。
ありがちな「MBTI 別おすすめ」は、結局タイプ分類の延長で止まる。
ここで目指したのは、MBTI を 感性や好みを観察するための入口として用い、そこから内面をプロダクト設計に翻訳するプロセスを作ること。
MBTI 単体の限界も自覚していた。だから BigFive・ユング心理学など、より科学的根拠の強いアプローチも並走させ、最終的に 「SANii(サニー)」 という独自診断システムを立ち上げた。
03 / APPROACH
クラスから始めて、ワークショップへ、AI 生成へ。
STEP 01 · CLASS
クラス全員の MBTI を収集し、席替え実験。
同じ診断タイプ同士で座ると、関係性はどう変わるか。身近な場を観察の最小単位にした。
STEP 02 · WORKSHOP
QWS 渋谷でワークショップ。付箋で 120 件のデータ収集。
MBTI × ファッション × 色 × 属性。付箋から浮かぶ傾向を観察した。
STEP 03 · REPORT
4 会場で成果報告。
聖学院中間発表 / QWS ワークショップ / 紀伊國屋書店結果発表 / Makers 本発表。
STEP 04 · AI VISUALIZE
得たデータから、ファッションと色の方向性を AI 生成。
物理プロダクトは作らない。データ → 仮説 → 生成ビジュアルという翻訳ルートを形に。
04 / SYSTEM DESIGN
"SANii 32 種類" から、1/32 を抽出する。
MBTI 16 種類を土台に、方向性の掛け合わせで 32 種類の "SANii" を定義。そこから 1 人の 1/32 を抽出し、その人固有の好みをデザインへ翻訳する構想。
下記は実際に描いたシステムロードマップ。
左上の問い("芯の好みにアプローチできていない")から、右の社会像("手間のない暮らしやすい社会")への因果設計。
05 / OUTCOME
QWS チャレンジ 21 期 採択、4 会場で発表。
・QWS チャレンジ 21 期 採択(渋谷スクランブルスクエア)
・Makers University U-18 10 期 活動期間中のメインプロジェクト
・聖学院中間発表 / QWS ワークショップ / 紀伊國屋書店結果発表 / Makers 本発表
・120 件のデータベース / AI 生成ビジュアル / プレゼン資料一式
単体で大きな受賞にはつながらなかったが、「内面の可視化」「診断の先のデザイン」という、その後の制作思想の出発点になった。
— 後にチョコレティアで "性格 × 社会課題 × エンタメ" に展開する基盤がここで作られている。
06 / REFLECTION
MBTI だけでは "らしさ" は捉えきれない、という学び。
このプロジェクトの学びは、"MBTI は便利だが、便利なだけでは足りない" ということだった。
人はタイプではなく、もっと揺らぎのある存在。
デザインは分類の結果ではなく、自己理解を深めるための媒介になりうる。
"好き" はすでにあるものではなく、問いかけによって浮かび上がるもの。
同時期に複数の活動が重なり、深め切れなかった悔しさも残っている。
だから SANii × DESIGN は完成作というより、「後の問いを生んだ原点」として扱うのが正確。
— 本当に検証するには、何百・何千の単位のデータが必要。ここはまだ出発点。